あなたはウォルマートという企業をご存じでしょうか?
スーパーマーケットチェーンとして世界最大の規模を誇る優良企業です。今でこそ世界最大規模になり世界中から愛される企業となりましたが、数年前までは悪徳企業と揶揄される時代が続いていました。
この成功物語の中には、これからの時代における企業経営にて、とある重要な示唆を与えてくれます。この事例を紹介しているのは、企業経営に社会貢献を組み込むマーケティングで国際的権威であるキャロル・コーンという女性。
当時のウォルマートの方針はとにかく最安値で提供すること。そのためにはあらゆる犠牲を厭わない方針で会社経営をしていました。
ところが、世界中の個人、マスコミ、労組等から経営方法について連日攻撃を受け、評判が落ち、従業員もやる気を失い、新店舗展開も地元民の反対にあい、、、そのような状態が続いたため、ウォルマートは変革を余儀なくされることになりました。
しかし、この変革で用いた基準がのちに世界中の企業で導入され業績を伸ばすことになります。
その概念は「エコマジネーション」
商品やサービスをすべて環境に優しい設計にするという基準です。この基準をウォルマートは導入し、照明の見直しや新設ビルに芝生を設置して省エネ化、商品の包装を見直して節約を図っていきます。
改革から5年後には全商品の包装に商品のライフサイクル情報を掲載し、製造工程や農産物の産地、児童労働、工場の労働条件等を記載し始めました。その企業情報をオープンにし、環境に配慮した取り組みを実践する中でウォルマートは少しずつ社会からの信頼を獲得して今の地位を確立します。
インターネットやSNSの出現で情報はオープンで筒抜けになり、あらゆる企業の情報やクチコミ、批判記事が発信される時代になり人々はこれまで以上に企業への「信頼」を重要視する時代へと突入してきています。
企業による見せかけではない本物の情報発信が要求される時代になってきたからこそ「エコマジネーション」の観点で企業の信頼性を獲得していくことが現代の企業経営には求められるのです。
あなたの企業がこれからの時代で 長期的な信頼を獲得していくために 今からできる社会貢献は何ですか?
商品やサービスで、環境に優しい設計にすることができるものには何がありますか?
ぜひ考えてみてください。
それでは、また。
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株式会社ビッグオー代表
執筆者 園田隆之